パン・オ・レ

 今月も天神さんの市が近くなってきたので、自家製パンの新商品を試作している、今日この頃。
 今月は、今までお出し出来なかった、甘くて柔らかい生地のパンを作りたくて、
 「パン・オ・レ」に挑戦することにしました。

 
 「パン・オ・レ」は、
 直訳すると、「牛乳のパン」
 生地を捏ねる水分には、水を全く使わず、牛乳だけで仕込みます。
 他には、卵やバターなども配合した、リッチなパンです。


 パリでは、パン屋さんではなく、お菓子屋さん(パティスリー)で売られている、パン・オ・レ。
 そして、その生地に、レーズンとカスタードを巻き込んで焼き上げた、パン・オ・レザン。

 実は、このパン達には、思い出があります。
 
 私が、パン職人として本格的に修業を始めるより、ずっと前。
 今はもう閉店してしまったのですが、京都・北山にル・コルドン・ブルーというパン屋さんがありました。
 大学生だった私は、そこで製造補助のアルバイトを早朝からしていたのですが、
 その休憩のとき、いただいていたのが、このパン・オ・レザンだったのです。

 ちょうど休憩前に焼き上ったのを、職人さんが「疲れたやろ、これ食べ」と差し出してくれた、
 パン・オ・レザンの味は、格別に美味しくて、
 今でも、「ル・コルドン・ブルー」のことを思い出す度、頭に浮かんでくるのはこのパンです。


 なので、RACINEの甘やわらかい系パン、第一号はこのパンにしようと、ずっと前から決めていました。
 ただ、作ったことはなかったので、試作では失敗したりもしましたが…


 でも、やっと販売できる形になったので、9/25の天神さんの日には、新商品としてお出ししたいと思っています。

 上の写真、 
  奥の、小さなギザギザ模様がついた細長いのが、パン・オ・レ、¥120。
  小さな丸いのが、パン・オ・レ(プチ)、¥60。
  手前が、カスタードとラム酒漬けレーズンたっぷりの、パン・オ・レザン、¥180。


 ぜひ、買ってみてくださいね。