茶路めん羊牧場 〜北海道旅行 vol.2
釧路の西、白糠町(しらぬかちょう)。
そこに茶路めん羊(ちゃろめんよう)牧場はあります。
5月30日(北海道に到着した日)、早速うかがうことにしました。
ちょうどその日は、夕方に羊が屠殺場から帰ってくるので、そのあとの内臓などの処理を見させてもらえるそうなのです。
17:00ごろ着いて、まずは牧場の主である武藤浩史さんにごあいさつ。
そして、羊の牧場の様子を見学させていただきました。
放牧をしているときもあるそうですが、このとき羊は舎の中に入っていました。今は親と子あわせて約800頭いるそうです。
餌の干し草を食べているところ。なぜか1頭だけ上に登って食べています。
顔が黒いのがサフォーク種。白いちょっととぼけた顔の羊がポールドーセット種。武藤さんの牧場にはこの2品種が多いようです。他の品種もあわせると10種ほどの羊がいるそう。
飼料も自家配合されていて、作っている建物も見せていただきました。
草だけでは栄養の足りない出産前・授乳中の親羊やラム肉生産のために肥育する子羊に与える飼料だそうです。
穀類などでできています。
そして、夕方遅く屠殺場から羊が戻ってきました。
武藤さんのところでは、毛刈りをした後、屠殺場に連れてゆき、そこで枝肉(半頭分にした状態)にして持って帰ってきています。
内臓、脳みそ、足先なども屠場検査を通ったものは屠殺場から持って帰れるので(部位や月齢によって許可されていないものもある)、顧客からの注文があれば持ち帰り、武藤さんのところで丁寧に下処理して、真空パック後出荷しているそうです。この日はその様子をじっくり見せていただきました。
枝肉(半頭分の状態)になったものは、1日吊るして、明日さばくそうです。
なので、内臓や足(豚足ならぬ羊足)の処理を見せていただきましたが、本当に丁寧にされており、見たことのないような作業もあって、とても勉強になりました。
内臓などは、私達のところに届いてからも、自分たちなりに下処理を行いますが、その下処理のそのまた下処理があったのだということを改めて気付かされました。
気の遠くなるような作業を見ていて、武藤さんが牧場のホームページに、
「羊の頭を割って脳味噌を取り出すのも、内容物の匂いがきつい胃袋を下処理するのも、ウンコがついた羊毛を素手で仕分けするのも、その先にそれを大切に使ってくれる人がいるからです」と書かれていたのを思い出しました。
大切に育てた羊の体すべてを、それぞれ必要としている人のもとへきちんといい状態で届ける、
受け取った側はそれを大事に味わいつくすということが、尊い命への礼儀なのだと思いました。
今回はじめて牧場へ行かせていただいて、
戸外でみた「かわいい羊」が部屋の中では「美味しそうな羊肉」になっているところを目の当たりにし、
ショックを受けなかったわけではありませんが、だからこそ感謝していただこうという気持ちが強くなりました。
また今回訪問させていただくにあたり改めて読ませていただいたホームページにも、私達はたくさん教わることがありました。
ご興味ある方にはぜひ御覧いただけたらと思います。
茶路めん羊牧場HP→http://charomen.com/
最後になりましたが、武藤さん、そして茶路めん羊牧場の方々、貴重な体験をさせていただきありがとうございました。