パン・ド・カンパーニュ

 今月は25日の天神さんのテイクアウト販売をお休みするので、
 次の自家製パンの販売は、まだ当分先なのですが、
 最近いろいろと、パンやスコーンの試作を続けています。
 来年1月のお初天神では、美味しいニューフェイスを御紹介できるよう、
 楽しみながら作っていきたいと思います。


 こちらは、パン・ド・カンパーニュ
 パン・ド・カンパーニュとは「田舎のパン」という意味です。
 フランスの田舎では都会とは違って、何kmも車を走らせなければパンが買えないことも、珍しくないそう。
 だから、何日分かまとめ買いすることになり、そのため、日持ちの良いパンが作られているのです。
 数日経っても味のいい、たくさんの家族の胃袋を満たすパン。
 今回の試作で、私は25cmくらいの俵型に成型しましたが、たいていは丸くて、もっともっと大っきくて、十字のクープが入れられています。


 日本でも、ハード系の品ぞろえの良いパン屋さんなら、たいてい売っている「カンパーニュ」ですが、
 味や皮の厚さ、中身のしっとり加減、粉の配合による中身の色…など、実にさまざま。
 共通点は、いろいろな製法を駆使して、日ごとに味の深みが増すよう、考慮して作られているところでしょうか。

 
 私はこのパンのことを考えると、必ず頭に浮かんでくるのは、
 小さい頃に映画館で観た、「魔女の宅急便
 主人公のキキが住ませてもらっているパン屋さんには、嘘みたいに大きい丸いパンが棚に並んでいて、
 「外国に行ったら、本当にこんな大きなパンあるのかな〜?」
 と気になっていました。
 アニメーションの中だけではなく、実在すると知ったのは、だいぶ大人になってからです。
 

 作るにあたっては、いろいろな本などを参考に、製法や材料などを調べて、
 うちの店にあるものをなるだけ使うレシピを考えました。
 特別な材料、極上な材料を使うのは、パン・ド・カンパーニュらしくないと考えたからです。
 日常に根付いた、いつもの材料で作れるパン。
 それをRACINEのカンパーニュのコンセプトにしました。


 そして、焼き上がったパンは、初めて試作したのに、思っていたとおりの焼き上がり!
 フランスパンと同じ種を使っているのですが、ライ麦粉・全粒粉・ふすまも入っていて、深い味わい。
 しっかりめの皮と、しっとりとした中身。
 美味しく出来たので、その日の晩のビュッフェ・パーティにも早速お出ししました。
 手前右がカンパーニュ↓
 

 
 初めて作ったのにうまくいってよかったです。
 (たいていのパンは完成するまでに、何回かかかるのですが)
 大量に出来てしまったパンは、若鶏のフリカッセ(軽いクリーム煮)と一緒に食べてみたり、
 薄くスライスしてクリームチーズとサーモンをのせてみたり、
 いろいろと試してみましたが、結構使えるパンだったので、
 今後、天神さんの市にもお出ししていきたいと思っています。
 (小型のパンにもアレンジしてみたりしました↓)



 ↑ 生地にみじん切りしたハムを混ぜ込んで、クリームチーズを包み、黒胡椒をふったパン。
   こういうアレンジ系は、もう少し試作を重ねないと、商品化できないかも…
   次の課題です。