7月21日の定休日に、ふと天神さんへ行ってみると、梅の天日干しをされているところに出くわしました。
これが、12月には、ありがたい「大福梅」として、たくさんの方々に授与されていくんだと思うと、なんだか大切なワンシーンに遭遇したような気持ちになりました。(大袈裟ですが・・・)
梅の名所ならではの光景に、修学旅行生の方々も目を奪われていました。
こういう場面に出くわすと、あの有名な大福梅も、果てしない手作業の末に出来上がるものなのだと、ありがたさが倍増します。
手間暇惜しまず作られた物の価値は、何とも比べることが出来ないし、計り知れないと思います。
でも、今の御時世は「手間」というものを、いかに省けるか、そこを重視している傾向にあるように思えてなりません。
もちろん、手間を省いて、良いこともたくさんあると思いますが、
(便利だったり、無駄も省けたり)
でも、昔ながらの、こうあるべき!という段取り、手法を省いて省いて・・・
その先には、なんだか味気ないものが出来上がってしまうような気がします。
なので、RACINEでは、何を作るにしても、仕込みには手を抜かないよう、心がけています。
昔ながらのクラシックな料理を基本にしていて、フォンやソースには気が遠くなるような時間をかけていますし、
毎日焼いているフランスパンは、焼き上がるまでに4時間半かかります。
当店では、バターとチーズ、飲料類以外はすべて自家製なので、「手間」率は高い方かもしれません。
でも、だからこそ、
「手間はただ」
という言葉を胸に刻んで、仕事をしたいと思っています。
大福梅から、話がだいぶそれてしまいました・・・
でも、はじめてあの光景をみて、「伝統を守ること」「ていねいな仕事の大切さ」を感じて、
日々の仕事の中で、大事にしたいことを再確認できた1日となりました。