発酵前。どろどろ。
発酵後。
ぶくぶくぶく・・・
さて、これは何でしょう?
答えは、パンを捏ねるときに入れている、”ポーリッシュ種”です。
パン業界では、生地の一部分を先に発酵・熟成させたものを”種(たね)”と呼んでいます。
これを本捏ねのときに、生地に入れることによって、風味が良くなったり、状態が安定します。
パン屋さんでは、たいてい独自の”種”を何種類かもっていて、それをパンの種類によって、使い分けています。
うちの店では、上の写真の”ポーリッシュ種(=液種)”を使ってパンをつくっています。
液種を使ってフランスパンを焼くと、皮がうすくパリッとしていて、中がしっとりとあがるのが特徴です。
香りもとてもいいです。
粉と水とイースト、塩など、いたってシンプルな材料をあわせて、じっくり3時間ほど常温で発酵させると、なぜかかすかに、甘いフルーツのような香りがします。
そして、さらに翌日まで、冷蔵庫で熟成させると種の完成!
作り方は簡単なのですが、この種のあがり具合で、パンの焼きあがりの状態が変わってくるほど、実は重要な役割をはたしてくれています。
本当に、RACINEのパンになくてはならないものなので、毎日ていねいに作っています。
最近、本屋さんへ行くと、たくさんのパン作りの本が売られていて、
気になる本を手に取ると、たいてい、
「家庭でこんな大変な事までするの〜?」
というような、プロなみの技法が紹介されています。
果物から天然酵母を起こしたり、こだま酵母をおうちの冷蔵庫で管理したり・・・
でも、残念ながら”ポーリッシュ種”はあまり紹介されていないような気がします。
パン作りがお好きな方、”ポーリッシュ種”を使ったレシピを見つけたら、ぜひ作ってみてくださいね。